小学校から高校までの音楽の授業やクラブ活動においては、ピアノを音が基準であって、長三和音、短三和音などこれが和音なのだと信じてきた耳にとって、分離唱によって生まれてきたハーモニーの美しさは、まさに驚きだった。分離唱に出会う前までも、無伴奏男声合唱でときどきハモった五度の響きの心地よさは体験していたので、全く新しい経験というわけではないが、分離唱を知ってからは、五度に限らず男声、女声、混声すべて曲全体を通して美しく澄んだハーモニーを続けられるというのは、まさに「魔法の杖」を手に入れたような感動を覚えたものだった。

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