1973年大学を卒業して、社会に出た自分の職業生活面を振り返ってみると、社会が大きく変化してきたことによるのでしょうが、私個人に限らず、職業人生観が変わってきたと思います。私の父の世代では、会社に勤めた人は定年まで勤めるのが普通だった。自営業の人であれば農家であれ、商家であれ、なおさらのこと代々引き継がれてきた職業を継いでいくのが、合理的でもあり、よほど大きな動機でもない限りは引き継いできていたと思います。私の世代に変わっても、社会人になってしばらくは転職する人は珍しい部類に入ったと思います。
私自身、73年に、某大手電気メーカーに就職した時点では、定年までこの会社に勤めるのが当たり前だと思っていました。ところが、90年代近くになり、日本経済が停滞し日本全国に渡りリストラの嵐が吹き荒れるようになり、それとともに社員の会社に対する忠誠心のようなものも薄くなっていき、一生一社の概念は、もはや過去のものとなってきました。

私も、御多分に漏れずリストラの一環で、会社の紹介により別会社へ出向、転籍という道を歩むことになりました。その時点でも、この転職は一時的な社会のリストラの波によって引き起こされた緊急避難的なものであり、転職はこれ限りであり、これが職業生活の折り返し点であり、移った会社でゴール(定年)まで勤め上げるものだという認識を持っていました。
 ところが、世の中が変わってきたというのは私の勝手な解釈もあるかと思いますが、6年半勤めたあと、二度目の転職を迎えることになったのです。そして、想像もしていなかった転職の繰り返しが続くことに。
 
私の経験上言えることは、転職はものすごいエネルギーを食うものだということです。自らの強い意志によって実行する転職であれば、そのエネルギー消費も納得できるものでしょうが、不本意な転職の場合には、このマイナス面が大きく感じられるものです。

勿論、転職のマイナス面ばかりを見たら自己嫌悪のかたまりになってしまいますが、私は転職したことのプラス面をはっきり自覚して、私の人生にとって転職したことが良かったと思うようにしています。一生一社もそれなりに尊いものだと思いますが、負け犬の遠吠えではありませんが、転職を重ねて、複数の会社でさまざまな人間と出会えたことが私の宝物のように思えるのです。

この後、転職に関わる思い出など思いつくままに綴ってみようと思います。

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