私たちが日々消費するエネルギーは、近年急速な勢いで増え続けています。日本総合研究所が編集した「テクノ図解 次世代エネルギー」(2000年東洋経済新聞社刊)というわかりやすい本があります。これによると、「変わってきたエネルギー消費構造」として、「産業」「民生」「運輸」の3部門に分けた1973年度以降の消費エネルギー総量の推移を見ると、「産業」部門が横ばいになっているのと対照的に「民生」「運輸」部門では倍以上の増加を示しています。本のページを繰っていくと、さらに驚かされるグラフが目に入りました。「日本人はエネルギーを使いすぎているか」のタイトルのもとに米国、カナダ、ドイツ、フランス、英国、イタリアの国々と比較した日本の一人あたりエネルギー消費の推移が示されていて、日本を基準として見た場合に諸外国はすべて減少させてきているのです。
 マクロな見方ですが、こうした事実を見せられると、早急になんとかしなければ、という危機感を覚えるのは私ばかりではないと思います。
産業革命以来、人類は太古の昔から太陽から降り注がれて地球上に蓄えられてきたエネルギーをどんどん食いつぶしてきました。埋蔵されたエネルギーの利用限界が云々されるようになってはじめて、再生可能エネルギーの利用を声高く叫ぶようになってきました。
 エネルギーの収支バランスを考えると、利用できるエネルギーを確保する努力も当然重要な課題ですが、消費エネルギーを必要最小限に抑える努力も同様に重要な課題です。私たち一人ひとりにできることから、実行していこうという意欲が湧いてきませんか?
(つづく)

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