2015年7月18日14時から東京芸術大学音楽学部5-407教室で開かれた洋楽文化史研究会第82例会「信時潔と東京音楽学校—信時潔文庫整理の過程で見えてきたもの」に、ビジターとして参加し、3人の発表者から信時潔の音楽、それにまつわる話や、人柄を示すエピソードなど興味深い話を聴かせてもらいました。
 初めに信時潔のお孫さんで、武蔵野音楽大学で学ばれ、卒論に信時潔の主要作品目録試作を行い、引き続いて信時潔の残した作品や様々な資料の収集整理発表に取り組まれておられる、信時裕子氏から「1.信時潔と東京音楽学校」「2.信時文庫資料整理の概要」のテーマで発表していただきました。
 次に、東京芸術大学楽理科卒業、同大学院音楽研究科終了され、「信時潔に関する基礎的研究(以下略)」の研究協力者として地道な研究を続けておられる石田桜子氏から”未整理資料群「『古い原稿』フォルダ」から—その概要と未発表作品について”と題して発表いただきました。
 最後の発表として、東京芸術大学音楽学部教授で、ここに書き連ねることがむずかしいほど沢山の、<研究活動><教育活動><社会活動><大学運営>の分野で活躍しておられる大角欣也氏から、
1.研究プロジェクトの概要
2.近代洋楽史記述における信時潔の位置づけ—その背景
3.信時の初期(留学前)作品の分析
4.明治・大正期における「国楽創成」のコンテクストから信時潔の初期の創作を見直す
のテーマで発表していただきました。大隅教授の発表は、スピーチはもとより、ピアノを使って信時潔の音楽の特徴となるフレーズを実際の音響として、私たちの脳に届けてくれる印象深いものでした。

3人の発表が終わり、質疑応答の時間がとられ、そのあと司会の方から、「懇親会を行うので参加ご希望の方は建物入口辺りにお集まりください」とのアナウンスがありました。懇親会のことは本日の研究会の案内、レジュメその他にも何も書かれておらず、何もないのも寂しいなと思っていたところなので、やはり、と安心したのですが、時間も押しており、参加メンバーの自己紹介でも恐れ多い方々ばかりなので折角のチャンスだとは思いながら、後ろ髪を引かれる思いで会場を後にしました。

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