ウィーンの街を歩くのも五日目になり、だいぶ勝手が呑み込めてきたような気がしてきます。今日は、日曜日なので王宮で日曜ミサが行われます。ウィーン少年合唱団の清らかな響きが流れるミサなので、きっと素晴らしい雰囲気に浸れるだろうと期待に胸を膨らませて王宮に向かいました。
楽友協会ホールでのコンサートと同様に、ここでもミサをまじかに体験することは出来ず、2階の窓越しに眺めることしかできないチケットしか手に入りません。祭壇の様子がモニターで映し出されるようになっています。
本来は、宗教儀式の一つであったはずの日曜ミサが、ここでは観光の一コマにもなっているようです。ミサが終わると、礼拝堂に接する中庭に出てウィーン少年合唱団のメンバーが出てきて多くのファンにサービスするらしいのです。今日も大勢の人々が待ち構えていましたが、あいにく今日は一人しか出てきませんでした。その一人目がけて少年の手を引いた母親らしき人が近づいていき、握手をしてもらっていました。
ミサの見学を終えた後、数多くの楽聖が眠る、ウィーン中央墓地に行ってみました。
ウィーン市街地の中心から東南方向へ約7キロ、市電に乗車しておよそ30分で到着します。
およそ2平方キロメートルの広大な墓地に、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ヨハン・シュトラウス、ズッペ、グルックなど、私たちが小学校、中学校の音楽教科書で覚えた楽聖たちのお墓が一堂に立ち並んでいます。こういった施設に足を踏み入れてみると、かの楽聖たちも、私なぞとは才能の違いは大きいものの、それぞれ歴史を通り過ぎて行った普通の人間の一人だったんだなという、一寸うれしいような気がします。
尊い楽聖たちの「お墓参り」ならぬ「お墓めぐり」でした。お線香を手向ける代わりに、すばらしい音楽を残してくれたことへの感謝の気持ちと、敬意を込めて手向けてきました。
いよいよ、本格的な音楽鑑賞の時がやってきました。
国立オペラ座で行われる、ベートーヴェンの歌劇「フィデリオ」の鑑賞です。チケットも、奮発して、落ち着いてステージを見渡せるような個室のような席が取れました。
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