先日投稿した、夏目漱石「こころ」(100分de名著)で書かせてもらいましたが、漱石の作品にあらためて感心した次第です。

何十年も前に読んだ漱石の本はおそらく図書館で借りたのが殆どだったと思います。我が家の本棚に見当たらないのです。また図書館で借りることもできるのですが、返却を気にせずに、じっくり読んでみたい気持ちもあり、といって高価な新品を揃えるまでもないし、ということでネットオークションをあたってみました。

言わずもがな、オークションにかけられている文豪の作品は数え切れません。価格も5000円、10000円といったものが多い中に、古いものですが10巻揃ってなんと現在価格500円というものが割と早めに画面に出てきたのです。それも、オークション締め切りまで4分しかありません。写真を見ても、痛んでもなさそう。蔵書にして楽しむ気はさらさらなく、読めればいいのですから、詳しく内容をあたっているどころではなく、他の人の手に入る前に手を打とうと決め、1000円を提示し、オークション締め切りを待ちました。10巻セットですから1000円でもお買い得なのですが、Yahooオークションの詳しい決まりを知らないのですが、1000円の提示により最高価格提示者として落札の権利を得たのですが、取引価格はそれまでの500円より一つ上の510円で決済できました。P1020446出品者が、兵庫県姫路市の人なので宅急便の送料が864円。それでも合計1374円と、古本屋で買うより安い感じです。

版のサイズは何版というのかわかりませんが、たて190mmよこ135mmと場所を取らない大きさです。昭和31年に刊行されているものなので、表装の変色は進んでいますが、中身は殆ど開いた形跡が見当たりません。外函に巻いてあった帯は、何度も書棚から出し入れした後でしょう、痛んでいるところが目立ちましたので、取り外して写真を撮りました。日焼けした外函ですが、帯のあったところが日焼けしていません。このことから推理すると、おそらく古本屋の書架に何年も飾られていたのではないでしょうか。オークション業者の目に留まり、殆どただ同然で引き取り、オークションにかけていたのでしょう。

出版元の東京創元社は、設立がかなり古く、現在も営業しているようです。昭和31年発行時の価格は各巻230円と印刷されています。当時としては結構いい値段だったと思います。古本とはいうものの、10巻揃って510円ですから、本の価値を知る者にとっては破格の安値での買い物だと思います。

学生時代に読んだ、名の知れた名作も、今読み返すとまた新しい発見があると思います。また、読んだことのない短編、小品も味わってみたいものです。

 

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