1月17日、2016年初の例会に参加しました。
佐々木基之先生のご令嬢Mさんの指導で分離唱を行い、ハーモニー感覚のおさらいをし、讃美歌を何曲か歌いました。
「良く聴いて」澄んだハーモニーを創ろうと気を取られていると、曲の流れがつい重くなってしまいますが、Mさんがその辺を的確に指導してくれます。すると、曲が生き生きとしてくるのです。これを積み重ねてきたおかげで、少しずつ進歩しているように感じます。

休憩をはさみながら、いつものように男声合唱を聴いてもらったり(今回は人数が少ないので一寸おとなしい出来でした)、音感合唱曲集から数曲歌いました。それと増田順平先生編曲山田耕筰作品集から「からたちの花」を歌いました。

この「からたちの花」は、私が大好きな合唱曲の一つです。アルトとテナーがハミングで作るF-durの属音C音に導かれて、ソプラノが優しく懐かしい響きで「からたちのはながさいたよ」と語りはじめます。思わずゾクゾクっとしてしまう処です。この曲のこの出だしがとても重要なところで、Mさんの指導でも、「大切に歌ってください」と力を入れていました。

私は、増田順平先生の編曲の素晴らしさの虜になっている一人ですが、この「からたちの花」の歌いだし(属音のハミング)の造り方は又絶妙だと思います。どうやってこういう形を造れたのだろうかなと気になって、原曲の楽譜を取り寄せてみました。
音楽の友社刊「山田耕筰歌曲集Ⅰ」によると、原曲はG-dur四分の三拍子で、ピアノ伴奏でAuftakt(前小節の三拍目)の四分音符で属音D音から始まり、半拍遅れて「からたちのはなが」と歌いだします。この音形は増田先生のオリジナルではなかったのですが、この導入を果たす属音に対して原曲には何も記されていないところに、増田先生の編曲ではフェルマータで拍運動を止め、じっくり延ばしています。山田耕筰はフェルマータは付けませんでしたが、ピアノ伴奏の始まりはppでdelicatissimo(非常に繊細に)と曲想を指示しています。増田先生の楽譜にもこの曲想記号は書かれていますが、その上にフェルマータを指示しているのです。よほど、この導入音を大切に表現したかったのだと私は思います。P1020472

休憩の時に、いつも美味しい紅茶を出してくれるのですが、今回は特に美味しく感じました。
山梨から来てくれているOさんが、紅茶を一気に飲み干してしまったのです。美味しくて一気に飲んでしまったのかなと思い、聞いてみたところ「今日は雪がかなり降るそうなので、早めにお暇します」とのこと。ゆっくり味わっていたいのだが、その時間を歌う方に廻したいということです。1曲でも2曲でもたくさん歌いたいという気持ち、良くわかります。
学生時代に、午前の講義が長引いて、昼休みが削られてしまった時に、昼食を取るより合唱団の練習を取った自分を思い出しました。

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