IMG_20160127_0001先日、投稿させていただいた「音楽用語事典」について、「しつこい」といわれる方が多いかと思いますが、また書かせていただきます。

名前の通りに「事典」として使えることはその通りですが、読み物として実に興味深く書かれています。1月23日の投稿で、山田耕筰の歌曲「からたちの花」を見事な合唱曲に編曲された増田順平先生が、曲の出だしのハミングのところで使われたFermataについて書きましたが、このFermataの項目を見ると
「(前略)ここで覚えておきたいのは、Fermataが示す『停止』はあくまでも『一時停止』であり、止まった後『再び動き出す』エネルギーを持っているということです。考えてみると交通規制も攻撃阻止も一時的なもの。止まって、また動き出す。バスもバス停からまた出発します。音楽でFermataといえば『いったいどのくらい音を延ばせばいいのか?』という議論が尽きません。2倍?3倍?いいえ、そんな決まりはどこにもありません。重要なのは長さよりも、音が一度停止した状態でも緊張感を保ち、生き生きとしているかどうかということです。『停止』は『終了』ではないのです。Fermataの長さは楽曲の雰囲気や前後関係、また演奏者の解釈で千差万別、常に変化します。そしてそれが音楽の醍醐味、面白さですよね。」
どうですか?一般に「事典」と銘打った書物のFermataの説明には書かれていない、音楽の心といったものが書かれていますよね。

また、「ブレイクタイム」として、事典のところどころに織り込まれている記事も面白いものです。
その一つですが「音楽用語でわかる!?作曲家の性格アレコレ」という項目には、
『激情型のヒーロー ベートーヴェン』と題して、彼の作品の中でsfの数が、他の作曲家に比べ群を抜いて多いとあり、ピアノソナタを例にとると、7つのピアノソナタに実に784個もsfが使われているそうです。ベートーヴェンのゴツゴツした気性の荒さ、闘争心むき出しの性格が見えると書かれています。
また、『主役じゃなきゃイヤ!!なリスト、ちょっと控えめのショパン』の項には、Energico、Marcato、Appassionato、Staccato、Stringendoなど、強さや速さ、そして激しさを表現する音楽用語がリストに多用されているそうです。一方のショパンにはLegato、Ritenuto、Leggero、Con animaなど音符ひとつひとつに想いを乗せ、繊細に美しく表現するための音楽用語が多用されていて、彼の落ち着いた、やわらかで歌うようなスタイルが感じ取れる、と書かれています。それぞれ「なるほど、納得できるな」と思わせられますね。

一部を勝手に引用させていただきましたが、決して関孝弘さんの宣伝を頼まれているわけではありませんが、とても面白く、興味深いところを紹介したいという気持ちで投稿させていただきました。

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