2016年4月10日の放送は、「若きキング・オブ・ヴァイオリニスト」と称されるマキシム・ヴェンゲーロフをメインゲストに迎えてヴァイオリンの難曲を披露してもらうという内容でした。この番組を観るまでヴェンゲーロフの名前も知りませんでした。ヴァイオリンという楽器はオーケストラの中でも中心的な弦楽器で高度な技巧を要するので、小さいころから訓練を重ね、優れた師にめぐり会ってその薫陶を受けないとなかなか大成することは難しいものだという認識を持っています。そうした中で、「キング」と称されるからにはとびぬけたものがあるのだろうという期待を持って番組を観ました。20160410A

初めの演奏は、なんと五嶋龍と二人で、H.ヴィエニャフスキという人が作曲した「二人のヴァイオリンの為の奇想曲(カプリス)」を演奏したのです。キングとよばれるヴァイオリニストと共演できる五嶋龍もキングにひけを取らない演奏家だということなのでしょうか? 大したものですね。

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M.ラヴェルの「ツィガーヌ」も、かなり高い技巧を必要とする曲のようですが、難なく弾きこなしています。彼の話の中で、ヴァイオリンは一つの楽器に過ぎないので、表現したい音楽を極めるためには指揮をすることが必要だと考えているといい、この曲の演奏の中でもVnのソロを演奏するだけでなく、オーケストラの指揮もこなしています。
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最後に、D.ショスタコーヴィチの「祝典序曲」を、彼が指揮をして聴かせてくれましたが、これがものすごい。初めて聞く曲ですが、それぞれのフレーズが実に生々しい息吹き感じさせる演奏で、その上で曲全体が有機的にまとまって迫ってくるのです。彼は単にヴァイオリニストであるばかりでなく、指揮者として沢山の素晴らしい音楽を我々に届けてもらいたいものだと思いました。

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