一昨年、脊柱管狭窄症による座骨神経痛を患ってから山歩きとはしばらくご無沙汰していましたが、大分回復も進んだこともあり、手頃なスポットとして高尾山ハイキングコースを歩いてきました。高尾山口駅近くの駐車場を探したところ、薬王院の交通安全祈祷殿の駐車場が230台と広く、しかも一日500円と手頃な料金。開場が朝8時とあり、週末だと満車で入れなくなることを予想し、早目に行って待ち時間に車内で読む本も用意して出かけました。ところが、7時半に到着したときには入り口も開放され中はまだガラガラ。私の車が到着する少し前に停めた車からおりてきた人数人が、そのまま駅の方へ歩いていきました。私もならって車を停め、受付と書いてある窓口も閉まっていたので、そのまま駅に向かいました。

ケーブルカー駅の左手の道を進み、ハイキングコースの6号路3.3kmを山頂に向かって歩き出しました。ネットで調べた「高尾山マガジン」というページの解説には「小川に沿って歩く、夏でも涼しさを感じられるコース」とあり、山歩きから遠ざかっていた体には丁度いいだろうと、9つあるコースの中から選んだものです。所謂ハイキングというものは、一種のスポーツでもあり、ガイドブック等に示されている標準時間で歩くと結構な運動になりますが、私らの目的は、梅雨入り前の自然の中でのんびり余暇を楽しむのが目的なので、沢山の人に追い抜かれ、道端の野草を眺めたりしてスローペースで歩きました。P1020620

東京都教育委員会の名で、いろいろ参考になる掲示が至る所にあります。写真は写りが良くないのですが「シャガ」という植物で、洋ランのような複雑な形をした花弁(?)が愛らしく、ハイキングコース沿いにあちこちに咲いていました。花や茎、葉はひっそりと生えているのですが、解説によると、根がしっかりと張って土砂の崩れるのを防いでくれているのだそうです。頼もしい花ですね。

7時45分に歩き出して、のんびり道草を食いながら歩いた結果、標高599mの高尾山頂に着いたのが10時半頃。展望の開けたところから相模原市内を遠望できましたが、季節がら止むを得ませんが、霞んだ空模様のため富士山を見ることは出来ませんでした。

ソフトクリームをなめ、薬王院境内まで少し下がりました。P1020632 - コピー

ずっと昔ですが、子どもたちがまだ小さい頃に来た高尾山の記憶がもうろうとしていますが、建物に施された極彩色の彫刻に目を引かれました。本殿の柱から庇を支える柱へ渡された梁の役割をしているのだと思いますが、天井を舞う竜をかたちどった彫刻が見事です。曲線を描きながらも左右一対の竜が対称に組まれているところなど、建築当時の造形技術の高さに感心してしまいます。昔に訪れた時も同じものを目にしているはずなのですが、記憶が時間の経過とともに薄れてしまうのは仕方ないとしても、今、あらためて訪れてみると、目の付け所も変わっていることを実感します。新しい発見が尽きません。

薬王院境内を散策していると、太鼓のドーンドーーンと合わせて法螺を吹く音色が聴こえてきました。山法師の装束をまとった3人の僧が吹き鳴らす法螺の音に導かれて、上人様のような高僧とそのお供10人ほどの行列が本堂に入っていくところに出くわしました。本堂の中では護摩供養を受ける人たちが大勢着座して待っていたみたいです。まもなく堂の中から読経の声が聞こえてきました。

丁度、昼飯時になったので、天狗ラーメンの看板を出している食堂に入り、天狗ラーメンを注文しました。P1020634 - コピー

各種山菜やら、大葉、梅干しなどの具の入ったラーメンの上に「天狗棒」と名付けた細長い棒が珍しい。看板を読むと、この「天狗棒」は10種類の「具」を山芋をつなぎにして練り上げていて、「10種の(ten)具(gu)」で「ten-gu(てんぐ)」だそうです。それなら、私も一つ思いつきました。高尾山名物の一つに「唐辛子」がありますが、「七味とうがらし」に一工夫して、あと3種類の何かを加えて「てんぐとうがらし」として高尾の新名物にしたらいいんじゃないかな。

下山は、ケーブルカーを利用しました。片道6分の運行ですが、最大傾斜角度は、日本一を誇っているそうです。

高尾山口駅近くに、以前「高尾自然博物館」のような施設があった記憶を基に足を運んでみると、建物が一新され「TAKAO 599 MUSIUM」というモダンな施設に変わっていました。高尾山周辺の生息する、動植物の展示があり、説明員が、ころ良いタイミングで解説をしてくれます。館内には喫茶コーナーもありました。

すぐ隣に名前は忘れましたが「森林資料館」みたいな施設があり、こちらも見学させてもらいました。

暑くも寒くもなく、絶好の気候に恵まれ、のんびりと物見遊山を楽しんだ一日でした。

 

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