戸建て木造住宅に住まわれていられる方の殆どが経験されていることだと思います。暑い季節に帰宅すると、1階は外気温より低く保たれていてホッとするのですが、2階に上がるとムッとする暑さにうんざりしながら、急いで窓を開け換気に努めることになりますね。

真夏の太陽に照らされた屋根の表面は、手でさわれないほど熱くなりますよね。簡単に考えれば、この屋根に近い2階の部屋が暑くなり、屋根の熱が2階の部屋に邪魔されて直接降りてこない1階の部屋がそれほど暑くならないのだろうという道理は理解できますが、住宅の屋根の構造を調べてみると、2階の部屋が暑く感じる理由をもう一段深く理解でき、対策を立てるヒントが見えてきます。IMG_20160622_0003

出典:DIYアドバイザーハンドブック(社団法人日本DIY協会)

ログハウスのような建物は別にして、一般的な住宅の構造は、屋根と部屋のあいだに天井板があります。屋根と天井板に挟まれた空間、いわゆる屋根裏と呼んでいる空間に溜まった空気が高温になり、それに伴って天井板も高温になり、その表面から放射される熱エネルギーによって部屋が暑くなるということが理解できました。

屋根の形状には、切妻、寄棟、陸屋根、片流れその他があり、寄棟とか、切妻、最近は太陽光発電設備の設置に有利な片流れが普及しているようです。切妻屋根の場合には、両端にある破風と呼ばれる三角形の壁に設けられた換気口により、屋根裏の空気は比較的外気と入れ替えがしやすいため、屋根裏に熱気がこもるのを比較的抑えることは可能ですが、我が家のような寄棟の場合には屋根裏に高温の空気が溜まりやすい構造となります。IMG_20160622_0002

出典:DIYアドバイザーハンドブック(社団法人日本DIY協会)

寄棟形状の屋根を持つ家屋では、屋根裏の換気はこれまでどうなっていたのだろうかと気になり、自宅を子細に眺めてみると、パンチングボードが換気口の役割を持たせられているのでしょう、軒下に数か所設置されていました。P1020672P1020671 新築後10年、20年経過後に外壁塗装を施した際に、パンチングの穴が何割か塞がってしまっていました。それにしてもこの程度の開口では、屋根裏にこもった熱気の換気が出来るとはとても思えません。穴を大きくすれば、鳥や虫などが入ることになり、むやみに大きくすることは出来ないし、そもそも温まった空気が軒下の下向きの穴から出るためには、何らかの力を加えなければならないのは素人でもわかります。

住宅の快適性についていろいろ調べてみると、ありました!屋根裏の熱気を追い出すことで、快適室内温度を取り戻すという文献が見つかりました。

よし!我が家でもやるっきゃない!と、決心した次第です。

我が家で施工してから、もう5年経ったのですが、はっきりと効果を感じています。施工するまではいろいろデータを取ったり張り切っていたのですが、恥ずかしながら、施行後の効果確認データを取るのが億劫になってしまい、ただ「よかったなあ」の満足感で終わってしまいました。

(1)事前調査

(2)設計・機材準備

(3)製作・施工

(4)効果

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