屋根裏換気の狙いは、屋根裏に溜まった高温の空気を追い出すことにより、天井面の温度を下げ、天井からの輻射熱を減らすことによって体感温度を下げて快適室内環境を作ることです。その方法としては、天井面に取り付けた有圧換気扇によって、室内空気を屋根裏に送り込み、高温になった屋根裏空気を、軒下に設けられている換気用のパンチングボードの穴から屋外に押し出そうとするものです。天井近くに集まった温かい室内の空気は屋根裏に送り込まれ、その分だけ廊下や窓からそれよりも温度が低い空気が取り込まれるので、天井面からの輻射熱の低減ばかりでなく、副次的な効果も得ることができます。

A.換気扇の取り付け       換気扇を選ぶときの重要なポイントは、十分な風量が得られたうえで、静粛であること。家庭用ですから、電源は当然AC100V。メーカーの信頼性も考慮した上で、三菱電機製の換気廃熱ファン[居室・小部屋用] V-20MEX2を選びました。定格風量は毎時300立方メートルと、仕様書に記載されていますが、この数字が十分といえるのかどうか気になり、試算してみました。40cm角のダクトを毎分5立方メートルの空気が流れるということは、風速で表すと平均で毎秒0.52メートル。大したことはなさそうな数字ですが、天下の三菱が世に商品として出しているものですから、これが妥当な数字なんだなと考えました。製品に付属していた取り付け工事説明書には「目安として15坪に1台」と書かれていました。IMG_20160625_0001

B.送風ダクト   ただ屋根裏の空気を追い出すだけならば、換気ファンで送り込まれた空気の量の相当する屋根裏の空気が追い出されるわけですが、今回狙ったのは同じ屋根裏空間でも、一番高い温度の空気が溜まっている最上部に室内からの空気を送ってやり、そこの空気を攪拌してやることで、屋内空気の温度の平均化により効果的な換気をしようということで、特殊なダクト形状を設計しました。換気ファンを取り付ける天井の位置は、屋根の最上部の真下には出来ず、電気配線の都合も考えると壁スイッチの近くで、扉や家具の利用を妨げないところに限られます。家屋の竣工図面から寸法を拾い、屋根裏の図面を書いて、ダクトの形を決めました。下の図を見るとダクトをもっと上まで伸ばしたいと思うのですが、図には書かれていない屋根裏の梁が縦横に走っているところに、曲がったダクトを差し込むのですから、これが素人にできる限界というわけです。

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平均風速で毎秒0.52メートルの空気が流れるのですから、騒音とは言えないレベルですが風の音も無視できないと考え、ダクトの内面には吸音シートを貼り付けました。P1020684A

C.タイマ設置   換気ファンの運転は、24時間連続というわけにもいかないし、かといって毎日つけたり消したりするのも厄介なので、24時間連続タイマーを取り付けました。このタイマーは15分刻みの間隔でON/OFFが何回もできるものです。電源は、部屋の照明器具用の配線から分岐して、タイマーを経て換気ファンへ供給しました。電気工事士の資格を取るために勉強したことが役に立ちました。

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