2016年8月14日の放送は、「旅の思い出の音楽会」です。先週は、高校野球のためこの番組はお休みでした。

ゲストは、この番組ではお馴染みになった、ヴァイオリニスト三浦文彰さん、ピアニスト金子三勇士さん、ピアニスト實川風(かおる)さん、エリック・ミヤシロEMバンド、ピアニスト田村響(ひびき)さん。

「旅の思い出」の音楽と銘打った企画でどんな音楽会となるのか期待を持って番組の進行を見守りました。最初の演奏曲は、NHK大河ドラマ「真田丸」テーマ音楽。番組テーマ音楽のヴァイオリン・ソロを担当した三浦文彰さんは、演奏にあたって、真田幸村ゆかりの地を訪ねる旅をしたそうです。確かに、作曲者が表現しようとしているものを、より深く理解するためには、物語の舞台となった現地を訪ねて、雰囲気を肌で感じ取ってくることも大事なことかもしれませんね。0_8演奏者の努力には申し訳ありませんが、大河ドラマも見ていない私には、それでも理解できませんでした。

続いて、6歳で単身ハンガリーに渡り、バルトーク音楽小学校から国立リスト音楽院大学へ進み、本場の音楽環境の中で研鑽を続けてきたピアニストの金子三勇士さんが、ドビュッシーの「月の光」を演奏してくれました。金子さんがハンガリーへ渡り、そこで聴いた「月の光」でショックを受けた話をしていました。彼の話で興味深かったのは、「言葉が違うと、音楽も違ってくる」そうで、今回の番組では「月の光」を、ハンガリー語と日本語とを組み合わせて演奏してみたいと話して、鍵盤に向かいました。どんな音楽になるのか楽しみにして耳を澄ませたのですが、正直言って私には、良く聴き分けられませんでした。ただ、最後のフレーズは、私が受けた印象では「ここは日本人が受け入れやすいところだろう」と感じましたがいかがでしょうか。0_10次のピアニスト實川 風さんは、今回の番組では一番若手でしょう。同じくC.ドビュッシーの前奏曲集から「花火」。色とりどりの、様々な花火が展開する風景の印象を表現する音楽だそうですが、不勉強の私には楽しむことができませんでした。0_12最後に、エリック・ミヤシロのビッグバンドの演奏で、「イパネマの娘」です。この曲は、私が中学か高校の頃ブラジルから来日したバンドの軽やかなボサノバのテイストと違って、ビッグバンドが奏でる様々なブラスの響きでブラジルの雰囲気を感じてほしいとのことでした。断片的な情報しか持っていませんが、いま地球の反対側で盛り上がっているオリンピック、リオ2016の騒ぎの中で、イパネマの娘のモデルとなった女性がブーイングを発しているそうな。日本選手団の活躍するニュースと同時に聴こえてくる犯罪多発のニュース、これらが頭の中でこんがらがってしまい、素直に「イパネマの娘」を楽しむことができませんでした。0_14「旅の思い出」と音楽。ピアニストの金子さんが話していた、ハンガリーへ行って、それまで聴いたことがないような「月の光」に、ショックを受けたという経験談は新鮮でした。自分自身を振り返ってみると、旅の思い出はそれなりにあるけれど、「音楽」が付随する思い出は意外に少ないような気がします。強いて言えば、オーストリア・ウィーンを訪れてW.A.モーツァルトの葬式が行なわれたシュテファン大寺院のパイプオルガンの響きや、現地でチケットを探して手に入れたモーツァルトのレクイエムを、寒いフォティーフ教会の中で、かろうじて足元のヒーターで暖を取りながら、しんみりと聴き入ったことなどが印象に焼き付いています。

シュテファン大寺院1993.12.03

フォティーフ教会 1993.12.01

 

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