2016年8月28日の放送は、「ヴァイオリン・ソナタの音楽会」です。

ゲストは、NHK大河ドラマ「真田丸」のテーマ音楽でヴァイオリンソロを演奏している若手ヴァイオリニスト三浦文彰さん。

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演奏される曲は、ヴァイオリンソナタと言えばお馴染みの、L.v.ベートーヴェン作曲『春』の第1楽章。三浦文彰さんのVnと、田村響さんのPfで聴かせてくれます。0_10曲の初めから、いかにも春を感じさせる幸福感を漂わせている音楽ですね。とても癒される気がします。VnとPfがお互いの味を出し合って、会話を重ねていきます。ベートーヴェンがこの曲を作曲した背景には「おそらく好きな人がいたと思います」と話していましたが、まったくその通りではないかと同感させられます。展開部で、印象ががらりと変わり、心の嵐が表現され、何か我慢しているところが感じられるところです。上昇するメロディーが何かをつかみに行こうとする様をあらわしているように感じられます。

そして、R.シューマン作曲ヴァイオリンソナタ第2番第1楽章。こちらは五嶋龍さんのVnと、居福健太郎さんのPfで聴かせてくれました。0_12こちらは、先ほどの幸福感漂う音楽とは対照的に、シューマンの苦悩が凝縮されている音楽です。右手でピアノが弾けなくなるという挫折を経験し、作曲に専念するようになったのだそうです。この曲は衝撃的な出だしで始まり、どうすればいいんだというシューマンの切実な訴えが込められています。

こういった作曲者の人間的な側面に関する解説をまじえながら、音楽を聴かせてくれるのがとても理解を深める助けになると思います。30分という限られた時間、コマーシャルで取られる分もあるので実質音楽が聴ける時間はもっと短いので、本のさわりしか聴けませんが、良いきっかけにはなると思います。

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