2016年9月25日の放送は、「リズムを楽しむ音楽家たち」です。

リズムといえば打楽器、とくるのですが、私が今まで見たこともないインドの打楽器タブラというものを、日本を代表するタブラ奏者U-zhaan(ユザーン)さんが聴かせてくれました。0_12

聴きなれない独特の音色で、インド特有の妖しげな雰囲気を醸し出すタブラという楽器を調べてみました。西欧の音楽文化とは違って、この地域に育った深い文化を知り、また一つ目からウロコが取れた気がしました。

§タブラは、北インド音楽に使われる丸くてかわいい打楽器

§高音と低音の二つの太鼓を、指や手のひらで叩く打楽器

§右手で5種類程度、左手で3種類程度の音を出す

§タブラ奏者はこの二つの太鼓の叩く「場所」と叩き方を変える事によって、多彩な音色を生み出しそれを使い分けます

§「世界で一番難しい打楽器」と呼ばれるように、まともにインド音楽のコンテキストで使えるレベルに到達するには、実に十数年単位の修業が必要と言われています。

§タブラの演奏方法は”口タブラ”で伝承される。

§音色にはそれぞれ固有の「名前」が付いていて、この名前を「ボール(Bol;ヒンディー語で喋るの意)」と呼ぶ。

§ボルを言えるようになるだけではなく、それらの音を実際にタブラによって表現できるように、正しい叩き方を学ばなくてはならない。

私がこれまで経験した、もしくは知っていた楽器とは全く異なり、それが奏でる音楽もまったく別の世界のものでした。楽器の作りもまた独特で、多彩な音色の秘密は、表面の黒くて丸い部分”スヤヒ”にあり、鉄粉、米の粉、樹脂を一定の割合で混ぜ合わせ、皮の表面に何度か塗り重ねて固めたものだそうです。こういう作り方が出来上がるまでには、それこそ長い歴史が積み重ねられたのでしょう。

楽器もさることながら、タブラを演奏する人の方も、指が太くなっています。「もとは白魚のような指でした」といっていましたが、想像を絶する訓練を重ねる必要があったのだと思います。それを続けられるだけの魅力もあったのでしょうね。

もう一人のゲスト、天才若手ドラマー石若駿さんが、打楽器の代表的なドラムスを紹介してくれました。0_14

石若さんを紹介してくれたなかで感心したのが、打楽器を極める人は、出来合いの楽器を演奏するだけにとどまらず、あらゆるものを叩いてみて、その音をじっくり吟味し、自分の表現しようとするする音楽の中に取り入れていくという姿勢でした。楽器の数は数えられない。何でも叩けるものは叩く、と言っています。タブラ奏者と同様に、自分の体も必要に迫られるのでしょう、指の関節が柔らかく、びっくりするくらい後ろ側にも反るのに驚きました。

打楽器を演奏するのって、大変な苦労がいるんだなと改めて感心させられました。

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