2週間の大がかりな住宅のリフォームを終えて、一段落ついたところでご苦労さん会として諏訪湖畔にあるホテルに予約を入れて、のんびりと過ごす休日を楽しみました。

土日の旅なので、混雑が予想されます。帰りの中央高速の渋滞にはこりごりしているので、帰りは昼に諏訪を出発するつもりで、その代わりに初日は朝早く家を出て、その日のうちに訪れる処は大体済ませてしまおうという魂胆です。目論見通りに道路の渋滞はなく、8時過ぎには諏訪大社下社秋宮に到着し、お参りを済ませることが出来ました。

初冬の境内に入ると、手・顔を洗い清める手水から立ち昇る湯気が目立ち、流石に諏訪は気温が低いのだなと感心したら、神社側の心づくしなのか沸かしたお湯が使われていたのです。サービスもここまでくると人間はますます横着になってしまうのではないかと要らぬ心配をしてしまいました。「熱いのでお気を付け下さい」と注意書きもありました。p1030210-%e3%82%b3%e3%83%94%e3%83%bc

この注連縄の太いこと!かなりの量の藁を使うんでしょうね。それだけ信仰が厚い証拠でしょう。p1030215-%e3%82%b3%e3%83%94%e3%83%bc

参拝開始時刻からそれほど立っていないからでしょう。境内を掃き清める巫女の姿が何か神聖なものを感じさせます。p1030216-%e3%82%b3%e3%83%94%e3%83%bc境内から出たところに、煎餅を焼いて売っている店があったので、自分たちで食べる分と、知り合いへのお土産にと、しこたま買い込みました。焼きたては美味しい! p1030221-%e3%82%b3%e3%83%94%e3%83%bc「これからハーモ美術館を見学して、その後で美味しいそばを食べる予定です」と話したところ、「美味しいところがある」と、美術館の近くにある「とんねるや」という蕎麦屋を紹介してくれました。img_20161204_0001_new教えてくれた場所まで何とかたどり着いたのですが、目立つ看板も無く、うっかりすると通り過ぎてしまうような地味な店構えで、それほど長い行列もできていません。「早く食べられるかも、」と思ったのですが都会の店とは違って注文取りの方法などまったく田舎風で、目の前に蕎麦が並べられるまで2時間ほど待ちました。長く待ったせいもあり、本当に美味しい蕎麦をいただきました。

「ハーモ美術館」では、入り口すぐのロビーにサルヴァドール・ダリの「時のプロフィール」と題した時計のお化けのようなモニュメントに驚かされ、アンリ・ルソーやマティス、ルオーなど名高い芸術家をはじめ、グランマ・モーゼス、カミーユ・ボンボワその他名前を知らない画家の作品を数多く鑑賞できました。諏訪にこんなに名作が集められていることを知りませんでした。グランマ・モーゼスの作品は、田園風景を温かい目でとらえたものが多く、眺めていると心が癒されます。彼女が絵を描き始めたのが75歳で、101歳まで制作活動を続けたということです。作品を観るだけでなく、同時に作者の人柄、その生活を知り、興味が益々そそられます。諏訪に来て、思いがけない収穫を得ることが出来ました。

「北澤美術館」では、ガラスの工芸品が沢山陳列されており、企画展として「ガレの花園」が開催されて、普段見慣れないゴージャスな装飾を施した見事な作品に圧倒されました。

「時の科学館 儀象堂」「日本電産サンキョーオルゴール記念館」諏訪に来たら、この2か所も見学コースから外すことは出来ません。

仕事仲間に長野県出身の人がいて、「諏訪に行ったら、おすすめは何ですか?」と聞いたところ、「この時期ならリンゴがおすすめだね。それも、お店で買うのでなく農園に直接出かけてみるべきだよ」と貴重なアドバイスを受けていたので、出発前からどこの農園が良いのか調べておきました。ホテルからそれほど遠くないところにある「高島農園」がよさそうだったので、事前に電話で問い合わせておきました。p1030256-%e3%82%b3%e3%83%94%e3%83%bc

朝9時から営業とのことなので、二日目の朝に現地へ行きました。朝露に濡れ、朝陽に光っているリンゴがたわわに実っています。p1030257-%e3%82%b3%e3%83%94%e3%83%bc気持ちの良いご夫婦が経営している農園で、広い農園の中を歩いて直売所に着くと、今が旬の品種をはじめ、様々な品種のリンゴを切って試食させてくれました。ある品種には女性の名前が付けられていました。由来を聞くと、その人のお父さんが作った品種で、名前はその奥さんの名前なんだそうです。苦労を共に分かち合った人の名前を残したかったのでしょうね。実に美味しいリンゴたちでした。

家の近くで買うリンゴと比べると、値段は数割安く、味も新鮮で、来た甲斐がありました。家で食べる分、娘たちに分ける分、知り合いに差し上げる分と、ここでも沢山買い込みました。「車を近くまで廻しましょうか?」と聞けば、「車までお持ちしましょう」と、一輪車で運んでくれました。聞くところによると、良い品は、最初に通販で注文してくれる人へ出し、残ったものがJAなどに流れるそうです。もう今度から家の近くのJAには頼まずに、この農園に直接頼むことにしよう。

出かける前は、のんびり過ごせればいいや、位に考えていた一泊旅行でしたが、意外にも素晴らしい美術品にも会え、美味しい蕎麦を食べ、美味しいリンゴを沢山仕入れることが出来、とても充実した二日間でした。ホテルも、細かい気配りのきいた感じの良いところで、また諏訪に来る機会があれば、また泊まりたいところでもあり満足です。

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