2016年12月11日の放送は、「女性指揮者の音楽会」です。女性指揮者とは、三ツ橋敬子さん。演奏会情報に疎い私は、まだこの人の名前も知らなかった人ですが、今日の番組で彼女の指揮する姿を見て、大切なことを考えさせられました。指揮者に大切なことは、棒さばき、バトンテクニックが重要なことは勿論ですが、顔つきをはじめ、体全体にみなぎる表情が大変重要であり、それが演奏者全員に伝わり、表現しようとする音楽が生きてくるのではないかと実感させられました。

今回の番組のタイトルには「指揮者」とあるのですが、内容はなにも指揮者に限らず、クラシック音楽界における女性の果たしている業績について、普段知られていない(というか私が知らなかっただけかもしれませんが)事柄について紹介するものでした。

先ほど書いた、「表情」というものを考えてみると、男性と比べて女性の方が表面に表しやすいように感じるのは私だけでしょうか。あるいは、私が男性だからそれ故に女性の表情について、男性に比べて表面に表しやすいと感じるからなのでしょうか?

話は横道にそれましたが、今回紹介される曲目は、

♪1.「春の朝に」より  L.ブランジェ作曲

♪2.「ピアノ協奏曲イ短調」 第1楽章より クララ・シューマン作曲

♪3.「ラ・ヴァルス」より M.ラヴェル作曲

の3つです。M.ラヴェル以外は、女性作曲家によるものです。L.ブランジェという人については私はこれまで名前も、作品も知りませんでした。ちょっと調べてみました。L.ブランジェと表記されていましたが、リリ・ブーランジェと延ばしたほうが多く目に入りました。彼女はフランスの音楽一家に育ちましたが、2歳という幼いときに免疫系が冒される気管支肺炎という病にとりつかれて、死と隣り合わせの生涯を送り、わずか24歳で結核によってこの世を去りました。

彼女の音楽について、「死の影におびえて暗さが目立つ」とか「女だてらに勇ましい音楽だ」などと評する人がいるようですが、難病と闘う彼女の生い立ちを知って、その先入観に支配されて彼女の音楽を勝手に「暗い」と決めつけているいるような気がしてなりません。「勇ましい」というのも、勇気をもって難病と闘っていこうとする彼女の心意気をもっと賞讃する言葉で表せないものなのだろうかと思います。「春の朝に」という題名も、希望に燃える春の朝を迎えたいと切に願う彼女の前向きな気持ちをあらわしたものなのかもしれません。

クララ・シューマンの名前はよく耳にしますが、彼女の作曲というのは初めて聴くような気がします。彼女がこれだけの大きな力を持っていたというのは、この番組で初めて知りました。

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