およそ2年前の2015年10月3日に投降した「中古車に5年乗ってエコカーに乗り換えました」の記事を読まれて覚えていられる方もいらっしゃるかと思いますが、この時点では全く考えてもいなかった状況の展開により、「街乗り」だけでは済まないことになり、毎週一回、山梨県甲府の方まで往復することになりました。1000㏄のパッソで行けないことはないのですが、ある程度荷物も載せられて、片道100㎞を超える運転を無理なく運転するには、もう少しパワーがあり、車体が大きい車でないと、ちょっと難しいなと思われたため、思い切って買い替えることにしました。

山梨往復の仕事は、今年の2月から始まりましたが、はじめはパッソで往復したのですが、歳を取ったせいかもしれませんが、高速道の運転は疲れを実感しました。休日のドライブと違って、慣れない仕事を抱えての客先との往復は、精神的な圧力があるのでしょうね。それに加えて、1000㏄クラスの車での高速走行は、振動・騒音が大きいことや、中央道のように上り下りが多いところでは、ほとんどアクセルを吹かしっきりでないと流れにうまく乗れません。ストレスが高じた結果からか、自宅に戻った時に頭がフラフラして、血圧を測ったらこれまで経験してきた変動範囲を上回る値を示していました。

こんな状態で、山梨往復の仕事を続けられるのかしらと不安を感じました。はじめは高速運転での疲労を軽減するための方法などを調べてみて、いろいろなグッズや方法などがあることを知り、とりあえず試せる方法を試してみました。例えば、ハンドルを握る手の位置。高速走行でなくても現在はこれが当たり前になっているのかもしれませんが、私が免許を取ったころに教わった10時10分の位置。これを8時20分に換えることで随分楽になった気がします。

他に調べた中には、高速道の路面とタイヤとの接触で発生する振動を低減する、吸振合金で作られたワッシャなんていうものもありました。これを、サスペンションと車体をつなぐ部分、および座席と車体をつなぐ部分に挟むというのです。吸振合金は、以前機械設計に携わっていた時に、振動を吸収して熱エネルギーに変換する効果が一般的な金属と比較して大きいことを経験したこともあって、興味深く検討してみたのですが、そもそも振動を絶縁する、若しくは伝わりにくくするためには振動源と、その振動を受けたくない部分との間に挟むのが鉄則ですが、この部品は後付できるということからサスペンションと車体の接合部分はそのまま(当然ですよね。ここをいじったら自動車メーカーの責任を問えなくなるし、重大事故につながる可能性もある)で、車体側(エンジンルーム内)に突出したサスペンションのボルト先端を車体に固定するナットと車体との間に挟むものです。私は実験データを見ていないので分かりませんが、理論的には、これでは効果は殆ど無いと言ってもいいと思います。気休めにはなるでしょうね。このワッシャが数千円もするのですから、よほどお金をふんだんに愛車につぎ込んでいる人が使っているのでしょうね。座席と車体の間に挟むという方は、一応、理にかなっているのですが、どの程度効果が期待できるのか疑問です。効果を得るためには、ある程度ワッシャの厚さが必要だと考えますが、メーカーで完成した車の座席固定ボルトの長さに無駄はないはずですので、そこに無理にワッシャを挟めば、ナットの締め付けに十分な力がかけられないことになる恐れがあります。

そもそも、車用品メーカーから販売されている品物で、車の基本構造にかかわるようなものは、十分注意してかからないといけないと改めて感じました。車の利用者にとって重大なパーツであれば、自動車メーカーが責任をもって開発に取り組むべきはずのものであるという基本原則から逸脱しているものでしょうね。

だいぶ、話が脱線してしまいましたが、小手先では済まないことが十分わかりましたので、車を買い替えることを決心しました。新車を買って2年もたたないうちに、また買い替えるというのは、一面では大変な無駄遣いとも思えるのですが、かといってこのまま無理をしてパッソで往復を繰り返すという判断は取りたくありません。「もったいない」という感覚が多くの人が陥る錯覚ですが、既に出てしまったお金は取り返せないものであるし、現時点と将来を見て最適な選択を取るべきだというのが経済の大原則です。週一回の山梨往復を伴う仕事の報酬は5~6万円程度ですので、そのために200万円を超える車の買い替えは馬鹿げているという見方をする人もいましたが、お金の問題ではなく、この仕事の話を持ち掛けてくれた山梨大学精密工学科同級生の厚意に応えるためにも、私としてもこの年齢で新たな環境の中で仕事に取り組めるという絶好のチャンスを、最善を尽くして取り組みたいという気持ちで判断しました。

6月末日に納車で、これまで5回ほど山梨往復をしました。中央道の上り下りもストレスを感じずに通過できます。路面から来る振動騒音もパッソと比べるとだいぶ静かです。路床のつなぎ目通過時に感じるガタンというショックも、パッソと比較してホイールベースが160㎜長くなったためだけではないと思いますが、格段に小さくなりました。荷物の量も毎回一定ではないのですが、時にはコンテナ5個と大量になることもあり、広いトランクルームでは悠々と積むことができます。パッソでは運ぶのが難しかったと思います。買い替えを判断してよかったと思っています。

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