私は今まで小山実稚恵さんについて、ピアニストの一人として名前を聞いたことがあるくらいで、よく知りませんでした。たまたま我が家の棚からピアノ演奏のCDを選んだ時に彼女のCD「ENCORE+」を聴き、その音楽の良さに遅まきながら気付いた自分を恥じてしまいました。

技量が優れているのは勿論のことですが、その曲に秘められた音楽的な感動が、彼女なりに自分の心の表現としてまとめていて、聴く人の心にすんなりと語りかけてくれるように感じました。今まで彼女のピアノをあまり聴いていなかった自分を「なんて勿体ないことをしていたんだ」と悔やんだものです。

早速、youtubeなどで彼女の演奏を聴いたり、インタビューやら、雑誌の記事などを拾い集めてみると、そこから彼女の人柄、決して飾ることがなく、謙虚で素朴な言葉遣い、はにかみながら話すところ、に魅かれました。「謙虚な人柄」と書きましたが、その演奏はダイナミックでもあり、メリハリがあり、遠慮がちなところなど感じさせられるところのない演奏です。「実力のある」という賛辞が決して嘘偽りのないものだと実感しました。

是非とも、直に彼女の演奏に触れてみたいと思い、演奏会の予定を調べました。一寸待ち遠しいのですが12月23日、近くの相模大野グリーンホールでのコンサートチケットを入手しました。ブラームス「3つの間奏曲」より第2曲、「6つの小品」より第2曲。シューベルト「即興曲 作品90」全4曲。ベートーヴェン ピアノソナタ第31番。ショパン ピアノ協奏曲第2番より第2楽章(ピアノソロ版)他 と多彩なプログラムが予定されています。まだ日にちがあるので、一部曲目の変更があるかもしれませんが楽しみにしています。

CD「encore+」収録曲:1.ドビュッシー「月の光」 2.ショパン「幻想即興曲」 3.ショパン「雨だれ」のプレリュード 4.リスト「ラ・カンパネッラ」 5.ショパン「別れの曲」 6.モーツァルト「トルコ行進曲」 7.メンデルスゾーン「紡ぎ歌」 8.シューマン「トロイメライ」 9.リスト「愛の夢 第3番」 10.ショパン「子犬のワルツ」 11.シューマン「アラベスク」 12.ラフマニノフ「音の絵」ロ短調 13.リスト「鬼火」 14.アルベニス「入り江のざわめき」 15.メンデルスゾーン「ヴェニスの舟歌第2番」 16.ラフマニノフ「前奏曲ニ長調」 17.ラヴェル「夜のガスパール~1.オンディーヌ」   1987~2000年の間に録音されたもので、親しみやすい曲を集めているところにもピアニストの個性が表れているのではないでしょうか。

インタビューや雑誌記事から、彼女の人柄が感じられる印象的なところがありました。それらについては、整理してまた次の原稿で書いてみたいと思います。

Follow me!