昨年(2016年)11月に届いた、カワイデジタルピアノ。66歳の手習いで、果たしてどこまでスラスラ思うように弾けるようになるか楽しみです。毎日少しでも継続的にピアノに向かえる時間帯を考えると、どうしても周囲へ迷惑をかけられないためヘッドホンで聴けるデジタルピアノを選択せざるを得ません。それでも、できるだけキータッチが生のピアノに近いものにしたいと願い、ヤマハ、カワイ、カシオ、コルグ、etc.と探してみて、購入しようと決めた楽器店の推薦もあり、結局カワイのCN35Bに落ち着きました。音色、キータッチ、様々な付属機能など総合して、この価格クラスの製品としてはほぼ満足できるのかなと思います。

毎日欠かさず練習しようと思ったのは最初の内だけで、案の定しばらくすると1日空き、2日空きと散漫になってしまいます。指が、滑らかに動かないという年寄りのビギナーにとって第一のハンディを乗り越えるのが最初の課題ですが、早く引けなくても、楽しみながら弾ければそれでよしと、焦らず、でもいつかはこの曲を弾きこなしてみたいという夢を持ち続けて練習に勤しんでいます。

ところが、最近、ある特定のキーだけ音が大きく鋭く聞こえるようになってきたのです。電子製品のことですから、それなりの不具合が生じるのは、ある程度覚悟はしていたものの、まだ購入して1年も経たない内に不具合が出たのはちょっと残念でした。幸い保証期間内だったので、販売店を通して修理点検をお願いし、直してもらいました。

不具合が発覚したのは、88鍵の内一つだけですが、ピアノ上部と、背面のカバーを外して、鍵盤ユニットをそっくり取り出しました。ユニットを裏返すと茶色の基板が2枚に分かれて、ユニットの幅いっぱいに取り付けられています。1枚の基板が44鍵のキーの動作を検知して電子信号に変える役割を果たしているのですね。不具合のあるキーを含む側の基板をそっくり新しいものに交換して、発音テストをすると、見事に不具合のあったキーは正常に戻ったことが確認できました。

元の状態に組み立てなおして修理完了。およそ1時間の作業でした。

カタログなどで、内部の機構を一部写真で見たことはありましたが、実物を分解して、内部を除いたのは初めてでした。分野は違いますが、電子・機械システムに長年付き合ってきた人間の目で見ると、これだけ作り込まれた精緻なシステムがたった15万円で買えるのですから、世の中の技術の進歩はすごいものだと感心してしまいました。日用電気製品ほどの数は出ないにしても、大量生産なればこそ成り立つ産業なのだろうなと思いました。勿論もっと高級なデジタルピアノも売られていて、本物のピアノよりも高価格のものもあり、そうなれば、音質、耐久性もろもろの品質が格段に優れてくるのだろうという推定はつきますが、あくまで練習用に周囲に気兼ねなく弾けるピアノという位置づけと割り切って考えればリーズナブルな価格で、それに見合った品質なのだろうと思います。

 

上部カバーに付いている2つのスピーカーと、鍵盤ユニットの奥に、下向きに付いている2つのスピーカー、合わせて4つのスピーカーで豊かな響きを出しているんですね。尤も我が家では、もっぱらヘッドホンを使っているので、スピーカーの出番は殆どありません。

 

一応ピアノという名前はついているものの、修理する人は、本物の楽器を扱う匠ではなく、電子技術者なんですね。時代の変化を感じます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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