嘗て務めていた会社の相模地区のOB会に参加した折に、8年先輩の方との会話の中で、「おもちゃ病院まちだ」を紹介していただきました。壊れて動かなくなったおもちゃを直すボランティア活動です。私たちの年代が子供の頃は、物資も豊かには無く、経済的にも余裕のある人は一部で、やっとの思いで買ってもらったおもちゃを宝物のように大事にし、壊れたらとことん直して使うというのが当たり前だったと思います。それと比べて、現代はものが豊富にあり、おもちゃもエレクトロニクス、メカトロニクス、とにかく高度な技術が使われ、複雑を極めており、壊れたら修理は素人の手には負えないものがほとんどといっていいでしょう。また人件費が高騰してきており、修理を頼むとしても、びっくりするような費用を請求されてしまいます。自然、新しいものを買った方がいいなという考え方が一般的になってきます。そうなると、「使い捨て」という風潮がひろがり、「物を大切に使う」という意識が薄くなっていくことにつながるのではないかと思います。この風潮は、おもちゃで遊ぶ子供たちばかりではなく、おもちゃを買って与える親御さん達にも言えるでしょう。

この活動は、そうした風潮に対して、「ちょっと待って。直せば、また使えるよ。ものを大切にしようよ」と、呼びかける意味があると聞かせてもらいました。また、別の意味で、「直ったおもちゃを見て、よろこぶ子供の顔が、何にも代えがたい貴重な報酬です」とも聞きました。

生来、ものを作ったり、分解して、改造したり、修理したりすることが好きな私は、この話に強い共感を覚え、早速見学をさせてもらい、とても良い雰囲気の中で様々なおもちゃの修理に取り組まれている諸先輩の姿を見て、迷うことなく入会することに決めました。一定期間インターンとして参加した後に、実績なりを見てドクターとして認められるそうです。

持ち込まれるおもちゃは様々で、複雑なものになると、ひとりの手におえないものもあります。そんな時も、応援を頼むまでもなく、自然にひとり、ふたりと集まってきて担当している本人の気持ちを傷つけないように気を遣ってアドバイスをしてくれます。

苦労すればするほど完成した時の達成感もひとしおです。

http://omotyamatida.sakura.ne.jp/index.html

 

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