しばらく投稿をさぼっていましたので、感覚が戻っていません。あしからず。

母校、栃木県立宇都宮高等学校の前身、栃木中学校が明治12年の教育令の制定により栃木県師範学校から分離改組して140年になります。昭和23年教育委員会法公布に伴い栃木県立宇都宮高等学校と改称されました。本校を昭和6年に卒業され、東京音楽学校に進まれて、ピアノ、作曲、指揮、オーボエを学び、卒業後、山形県での教諭活動の経験を積み昭和21年、母校の音楽教諭に着任された石井信夫先生は、目立った芸術文化が育ちにくく、「文化不毛の地」と呼ばれていた栃木県において、食料すら満足に手に入らない時代にあって「君たちは音楽をやるんだ」と若者たちに呼びかけて、熱心に音楽教育に打ち込まれていきました。昭和25年には、公立高校としては珍しい管弦楽団を創立しています。先生のご努力の一端が偲ばれる、ドラム缶を改造してつくられたティンパニが、大切に保管されています。今月23日に開かれる「140周年記念演奏会」のチラシにその写真が掲載されています。宇高入学の前には、音楽の授業で使う楽器以外は触ったこともない身の程知らずの私が、宇高管弦楽団に入れてもらい、石井先生にときには怒鳴られ、ときには胸にジーンとくる温かい言葉をかけられながら、3年間過ごすことができた喜びは何事にも代えられない私の大事な宝物です。140周年記念演奏会

石井先生が「君たちは音楽をやるんだ」と呼びかけた情熱に応えた若者たちが、校内は勿論のこと、県内、そして日本国内、さらに海外へと、その活動拠点を広げプロのアーティストになって活躍している人もいれば、音楽指導者となって後進の指導を続けている人、私のようにアマチュアの身ながらも、音楽を愛する情熱を持ち続けて様々な形で音楽を人生の伴侶として様々な形での音楽活動をしている人の数は広がっていることでしょう。

本稿のタイトルに挙げたOB会ですが、昔からきちんとした形であった訳ではなく、近年あらためて形を整えてきたようで、幹事の方々のご尽力のおかげで、私以外にも栃木県外からの参加者も交えて、青春の熱きひと時を過ごした「滝の原」の木陰に建つ、昭和17年竣工された大規模木造建築の講堂に集い、それぞれが深い想いに浸りながら、嘗ての情熱を呼び起こし、管弦楽、かたや合唱という形で音楽を楽しみ、束の間ではあるものの限られた時間ではあるものの興奮のるつぼに浸り、その余韻を胸に秘めつつ、再会を約してそれぞれの持つ生活拠点へと散っていきました。残り少なくなった練習を重ねて、11月23日の演奏会本番に臨みます。

 

 

Follow me!