自衛隊の音楽隊は最近人気が高まっているらしく、また入場無料ということもあって、入場整理券(?)がなかなか手に入らない状況です。私も今回応募して、当選メールを首を長くして待っていたのですが、とうとう届きませんでした。何か裏の手でも使わなくてはダメなのかなと失望していたところ、コンサートの2日前になってメールが届いたのです。「キャンセルが出ましたので、繰り上げ当選です。」平日のコンサートなので、あわよくば、というかすかな望みも捨ててはいなかったのですが、期日から10日過ぎても梨の礫なのでほぼあきらめていただけに「繰り上げ当選」のメールを受け取った嬉しさは一入でした。

第2部の演奏を指揮した時任康文さんをこれまで私は知らなかったのですが、今回の演奏を聴かせていただき、すごい実力のある指揮者だなと感心してしまいました。彼の中にあるしっかりした音楽のイメージを表現するべく、見事な指揮のテクニックにそれが現わされ、そのリーダーシップのもとに音楽隊が一丸となって一糸乱れぬ演奏を繰り広げる様に圧倒されます。歌劇「ナブッコ」序曲、同じく「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲、バレエ音楽「三角帽子」から抜粋を聴かせてくれたのですが、迫真に迫る、息を呑むような演奏で、ときどき指揮者の唸り声まで聞こえました。演奏に入る前のトークで、時任さんが行った三日間のリハーサルではかなり念の入った演奏指示が出されて、「私は恨まれているかも知れません」とおっしゃっていましたが、その話が「なるほど」と思えるような、これまで自衛隊中央音楽隊のコンサートで聴いた音楽とはひと味もふた味もちがったもので、大きな感動をあたえてくれました。

順序が逆になりましたが、第一部では今年イギリスで行われた「エジンバラ・ミリタリー・タトゥー2017」(世界軍楽祭)に参加して表彰されたことにちなんでか、イギリス音楽の特集を、樋口孝博1等陸佐が指揮しました。音大卒(時任さんの1年後輩だそうです)で著名指揮者に師事しただけあり見事な指揮でしたが、第2部の感動にはちょっと及ばない感じがしました。スコットランド民謡「ドゥーン川のほとり」をソプラノ松永美智子さんが歌いましたが、聴くたびに上達している感じです。

管弦楽とは違った響きで聴くクラシック音楽も、またいいものです。入場無料のコンサートですので、チケットを手にれるのが難しいのですが、最近人気が上昇しているらしく、今後の進展に期待して、また応募してみたいと思います。

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