1月26日テレビ朝日で放送された「たけしの健康エンターテインメント『みんなの家庭の医学』」は、私がこの一年の間に大変悩まされた病変に大変近いものを取り上げた内容だったので、テレビの前に釘付けになりました。
この日の放送のサブタイトルが「【チーム医療】で原因究明!治らない不調を解決する専門外来SP」というものであったので、大きな期待を持って観ましたが、テレビ番組特有の、視聴率を稼ぐための脚色が多分に含まれているという面を考えても、「チーム医療」が果たしている大きな成果に拍手を送りたいと思いました。それと同時に、放送で取材された長崎大学病院、東北大学病院のような大きな病院でなければ出来ない「チーム医療」を、大病院でなくても、ネットワーク技術を活用して、全国のどの病院にも拡げていったもらいたいものだと強く願います。これは、日本医師会だけの意志で出来るものではなく、厚生労働省が指導したり、しかるべき規制も含めて推進しなければできないものではないかとも思われるのです。

番組の前半は、30種類以上の検査で尿トラブルを99%解明する「尿トラブル専門外来」がある長崎大学病院。
泌尿器科・腎移植外科助教をリーダーに、看護部、診療放射線技師、神経内科医はじめ総勢9名のスタッフが患者からきめ細かい症状を聴き取り、カンファアレンスで情報共有を進め、病の治療に全力を注いでいる様子を紹介していました。

多くの患者が訴える「尿トラブル」の代表的なものは「頻尿」特に「夜間頻尿」で、私もその一人ですが、良く聞かされるのが「歳をとると多く出てくる問題」とか「過活動膀胱」という言葉でした。
番組で紹介され、「あっ」と驚いたのが「腰部脊柱管狭窄症」により神経が刺激されることによって尿意が起きるという話です。
私が一昨年11月に、腰部脊柱管狭窄症に伴って発症した坐骨神経痛で緊急入院、そして退院後も通院リハビリを続けたのですが、この期間の夜間頻尿がはなはだしかったのです。夜中に3回も4回もトイレに行き、時計を見て1時間しか経っていないこともありました。
それ以前に、夜中にトイレに立つことが出始めたころは、「歳を取ればしょうがないさ」くらいに思っていて、泌尿器科を受診する決心もつかなかった私も、この時はさすがに専門医に診てもらう必要があるかなと思ったのですが、座骨神経痛を治すことが先決問題で、泌尿器科は後回しでした。
通院、および自宅でのリハビリを重ねた甲斐あって、2か月ほどで坐骨神経痛は殆ど回復したのですが、なんと夜間頻尿の程度も腰部脊柱管狭窄症を発症する前の程度に軽減していたのです。

坐骨神経痛は治まったものの、右肩の関節周りの痛みが目立ちはじめ、同じ整形外科に通うのですが、治療の目的が右肩周りの痛みを取り、運動機能の回復へと変わって、なんと1年近く通い続けて普段の生活に戻ることができたのです。

1年間悩み続けた右肩の痛みについて、番組の後半で紹介していた東北大学病院「肩関節外来」のスペシャリストたちによる診察リレーによって痛みの本当の原因を突き止めていく様子がとても参考になりました。でも、後の祭りで、もっと早く放送してほしかったという無念さが残りました。
坐骨神経痛の痛みは半端ではなく、横になって安静を保つしかないのですが、それも右肩を下にした姿勢で横になる他は左足のしびれと痛みが出るので、そうするしかなく、ずっとその姿勢で2週間近く経過している間に、右肩関節周りの筋肉、腱板に何らかのダメージを与えてしまっていたのではないかと考えられます。

人体の骨と筋肉の関係を調べると、実に数多くの筋肉が体の姿勢や動きを支えているのだなと感心してしまいます。素人では当然理解は難しく、経験の浅い医者でも、正しい判断を下すのは至難の業かなと思います。だからこそ、チームワークで様々な患者の病変を、早く、正確に把握して、真の原因を突き止めていくことが、早期回復に結び付くのではないかなと思います
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さして大きくない整形外科医院ではレントゲン撮影による画像診断によるところが多く、痛みを訴えても、「骨には異常ありません」という診断が関の山。坐骨神経痛の時は、関連する脳神経外科病院でMRI検査を行って、神経が圧迫されている様子が確認されています。退院時に、この画像のコピーをCDに焼いてもらい、大切に保管しています。「何のために使うのか?」と病院で聴かれたのですが、「個人的に興味があるから」と言って了承してもらいました。右肩の長引く痛みも、MRIによって神経や筋肉、腱板の異常が見つけられたらもっと早く回復に結び付いたのではないかなと思います。番組で紹介された内容は、MRI設備は勿論のこと、画像診断のスペシャリストだからこそ、わずかな病変を見つけることができたのであり、良くできすぎた話のようにも思えなくはないのですが、現代の医療技術の粋はここまで来ているのか、と感心させられる内容でした。

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